『濡れに強く、軽量で暖かいスリーピングバッグを』

STATIC × MOOSEによる別注企画「ADRIFT Ti Sleeping Bag」が、いよいよ発売開始!

STATICの名作ADRIFT LINERを、3シーズン向けのスリーピングバッグとして、
より積極的に使える仕様に、という要望から生まれたこの企画。
私たちがテストの上にたどり着いたのは、”チタンスパッタリング”によるコーティングを施した
10Dの極薄ナイロンシェルとの組み合わせでした。

【開発の経緯】

以前から、夏期を中心とした時期にADRIFT LINERとSOL / Escape Bivvy の組み合わせを
スリーピングバッグがわりに使用していましたが、これは軽さを狙うというよりは、ADRIFT Linerの気密性の上昇、アルミ蒸着による輻射熱によって、「防水で濡れに強い擬似的なスリーピングバッグ」を作ることで、フロアレスシェルターやツェルトなどの結露や濡れの心配がある
軽量シェルターの導入を容易にする、というものでした。
事実、ADRIFT LINER 230g+Escape Bivvy 241gで計471gは決して超軽量という訳ではありません。
今回のチタンスパッタリングの10D 軽量リップストップナイロンとの組み合わせで完成したのは
「濡れに強く軽量で、3シーズンで積極使用が可能なスリーピングバッグ」です。
Octa®︎CPCP®︎の暖かさや、肌触りの良さ、吸水拡散性、軽さを損なうことなく、より積極的に使える
スリーピングバッグを実現するために、
自分たちがこれまでに使ってきた道具への理解度や、様々なスタイルでの山行の経験を総動員した提案を、STATICが持つ技術や生産背景によって実現した、
まさに「こういう道具が欲しかった」と、私たち自身が胸を張って言える自信作です。

「チタンスパッタリング」

聞き慣れない方もいるかもしれませんが、スパッタリングとは、金属であるチタンを特殊な方法でナイロン繊維一本一本に吹き付けて定着させる方法です。そうすることで、元々の生地が持つ透湿性や軽さを失うことなくコーティングすることが可能で、スリーピングバッグ内の蒸れを抑えた上で、チタンの輻射熱による保温性の向上が見込めます。
私たちは、この企画がスタートする以前からこのチタンスパッタリングによる保温効果の上昇に注目していました。TNF/ Trail Emergency Hoodie や、RabのMythicシリーズなど、実際にフィールドで使用した経験からも、この保温性の向上は有効だと感じていたのです。

【重量と仕様】

重量はわずか300g(スタッフサック6g込み)。この重量であれば、超軽量なスリーピングバッグにも引けを取りません。
また、チタンスパッタリングの製品で起こりうるコーティングの剥がれに関しても、ADRIFT Ti Sleeping Bagは、Octa®︎CPCP®︎の表側にチタンスパッタリングの生地を合わせ、コーティング面が直接肌に触れないこと、また、一般的なウェアと違いバックパックなどの荷重が掛かることや汗による生地の濡れが起こりにくいことから、コーティング面の剥離を最小限に抑えることが出来ます。この仕様であれば、短期間に機能を損なうほどのコーティング剥がれは起きないと考えています。

【保温性能】

では、肝心の保温性能「どれぐらいの温度帯で使えるのか」を紐解いていきましょう。
これに関してはダウンのスリーピングバッグのような共通規格での評価が難しく、サンプルを使った自分たちの体感でのレビューに頼るしかありませんでした。以下は実際にスタッフが使ったインプレッションです。
  • 男性スタッフ

    昨年9月の北アルプスの山行の際に使用。気温は4度程度、ウェアは上下OMMのコアシリーズ、マットにはEVERNEW FP Mat 100を使い就寝。
    寒さを感じることなく寝れたものの、明け方になってくると足元にだけ冷えを感じました。これはある程度の透湿性があること、ソックスが濡れていたことが原因ですが、就寝時にソックスを替える、バックパックに足先だけ突っ込むなど、様々な方法での対処が可能です。基本的にはこの程度の気温であれば快眠できると感じています。
    また、別のシーンでは上下のウェアが濡れた状態で中に入りましたが、チタンの輻射熱による暖かさと、OCTAの繊維が水分を吸水拡散することで就寝中にウェアを乾かすことができました。この時は前回よりも気温は高かったものの、睡眠時間は短め。それでも寒さを感じることなく休息できています。
  • 女性スタッフ

    直近(8月初旬)の北アルプスのテン泊時に使用。気温10度のなかで、マットはTHERMARESTのNEOAIR UBERLITEで就寝しましたが、この気温の中では暑さを感じるほどでした。それほど寒さに強いタイプではないものの、ウェアは行動着の上にロングパンツとロンTを重ねたのみなので、この時期のアルプスなら就寝時のウェアを削ることも出来そうです。
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私たちMOOSEの様々な経験値から得た発想と、STATICが持つ技術と生産背景によって生まれた、
今回の別注企画は、何よりも「自分達が理想とするアイテムを作りたい」
というところからスタートしています。
それを実現するためには、私たちMOOSEのスタッフ一人一人のことを理解して下さり、
コミュニケーションも密に取れるSTATICとのコラボレーションは理想であったと思います。
事実、出来上がった「ADRIFT Ti Sleeping Bag」は、自分たちが思い描いていたアイテムに仕上がりました。
今回のレビューは単体使用に限ったものですが、
今後さらにテストを重ね、寒冷期のブースター使用や、化繊のシュラフとのVBL的な使用方法など、
様々なシチュエーション、装備の組み合わせでのレビューを発信していきます。
「ADRIFT Ti Sleeping Bag」は、
私たちMOOSEとSTATICが自信をもっておすすめする ”自身のアイデアと経験”によって、
攻めた使い方が可能な意欲作です。皆さんもぜひ、ご自身なりの理想的な使い方を見つけてみてください!